2009年7月16日木曜日

能に学ぶ身体技法


能楽師は70歳、80歳を過ぎても舞台上で舞い、謳う。
ある時は助走なしで飛び上がったり、
宙返りまでやってしまう。

また、歩くにしろ舞うにしろ、立ち居振る舞いは
私のようなど素人から見ても見事である。
立ち姿だけでも絵になる。
それはなぜなのか・・・・

その答えは「深層筋」にあり、
普段は意識できない深層筋を能の動作では
使っているというのが著者の主張。
深層筋を使うことで、高齢であっても
現役でしっかり動ける身体ができていると
結論づけている。

「深層筋活性化の6つの身体技法」として
記述されている内容を、自分なりに
箇条書きにしてみた。個々の詳細は
今後のコラムで取り上げて行くことにする。


1.「大腰筋」の意識と活性化
2.「立つ」
(1)体軸感覚
(2)重心感覚
(3)スカイフック感覚

3.「すり足」
(1)股関節から脚を出す
(2)爪先を上げる
(3)爪先を下げる
(4)床をつかむ
4.「指し込み」と「ヒラキ」(股関節と肩関節)
5.「呼吸」
(1)横隔膜呼吸
(2)骨盤底呼吸
6.「声」

本書では深層筋の活性化をテーマに「能楽師の身体の使い方」と
スポーツ医学の観点からも米国で注目されている深層筋活性化技法「ロルフィング」の両面から
アプローチしている。深層筋活性化のための具体的なエクササイズにも触れてはいるが、
ハウツーを求める読者には物足りない部分も多いらしく、書評は必ずしも芳しくない。
しかし、エクササイズはともかく、私の関心事であった
「能楽師のあの身のこなし はどこからきたのか」の観点からみると
その精神性を含め、非常に興味深い内容だった。



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