能楽師の「立つ」ということ。
(内容理解の為には、まずは実際に能舞台で「能楽師の立ち姿」を見ることが最善。)
著者の指摘するポイントは三つ。
(1)体軸感覚
(2)重心感覚
(3)スカイフック感覚
1.体軸感覚:身体に一本の線(軸)を捉える。(頭の先から脚・足裏まで)
(1)足裏三点立ち(既述)
(2)上半身(頭から仙椎まで)を一本に:背骨中心より前側
(3)下半身の両足で広がる感覚を一本化:脚の内転筋を意識(内股を擦るように歩く)
2.重心感覚
(1)丹田の意識(肚 感覚)・・・・*肚:仙椎の前側
(2)水平化(骨盤を水平に保つ)
*骨盤を水平に保つのは「サムライ文化」(水平に保つことで刀・2本を腰に差して保てる)
:津村禮次郎「まっすぐに立った時や運んだ(歩いた)時に唐織の裾が踵から離れないため」
・・・確かに骨盤水平でなければ(例えば前傾だったり後傾では)刀は抜けないね・・・
*町民文化であった日本舞踊では「骨盤は前傾」:矢田部英正氏「たたずまいの美学」
・・・これは面白い文化比較論
3,スカイフック感覚:天から吊り上げられる感覚
(1,2で一本の軸で「地にめり込む感覚」になった身体を自在に動ける感覚にするため。)
4.「脇の下に空気の玉が入っているイメージ」を作ることで
「能での立ち方」をより効果的にできる。
更には「背中に十字(肩甲骨で横のライン、肩甲骨の間から仙椎まで縦のライン」をイメージ。
(背中十字はバレーのレッスンなどにも用いられるとか・・・)
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